心の時間をのばす
今年一年間、みなさまが書いたお写経が観音堂に納められました。
毎月21日朝9時、弘法大師空海上人の月命日に行う写経体験会。
毎月末日の夜7時、蝋燭の灯りのみで行う晦日キャンドル写経。
また、随時行われる写経と自宅写経。
般若心経290巻
理趣経百字偈130巻
お心こもった合計420巻の写経を、願主様のお名前を読み上げて
聖観音菩薩のお傍にお納めしました。
写経一枚一枚は、その日、その瞬間の人の姿を表したものであって、
そこには慈しみの心や様々な願いが込められております。
令和8年の一年間、この場所で毎朝御祈願し、皆さまのお写経を守ってまいります。
皆さん、とてもご熱心にお写経に取り組まれております。
もちろん、経験の浅い方や初めての体験であった方もおいでです。
なにがご利益なのかを問われれば、
写経は脳の活性はじめ体と心の健康によいとされ、効果はいくつもあげられるのですが、
そればかりではなく、供養や祈りの力にも通じております。
しかし、この寺では、皆さまにまえもってご利益についてふれることはしません。
ご自身の実感がもっとも大事と考えているからです。
功徳は、実践した先にご自身が感じ取ることが尊いのです。
わたしがひとつだけ伝えたいとしたら、
それは、「心の時間」をのばすこと。
とにかく日々慌ただしく、心がざわめいています。
不変の本来の時間速度に対して、心の時間はめまぐるしく変化し、
安定を取り戻すことが容易でないのが現状ではないでしょうか。
膨大な情報に溺れ、考えることがあまりに多く自分を見失いがちな私たちは、
心の時間速度が早すぎるのです。
半ば強制的にそれを安定させる効果があるのは、まちがいなく写経です。
ひとつ条件がありまして、それは静か且つ簡素な環境でマイペースに行うことです。
許されるなら、その時は携帯電話は手放しましょう。
そこが自分を癒せる場であれば、なおよいと思います。
心の時間をながくして、気が付けば時間を忘れる。
そのくらいがちょうどよい。
経文の一字一字に向き合い、素直に筆を進める。
その時、余計な思考や囚われから離れ、情報を手放すことができれば、
心には健康的なスペースが生まれます。
最中にもし、心のざわつきが生じても、それを否定はしないで、
あくまで一瞬一瞬の自分に気づきながら、認めながら、素直になって進める。
いよいよ、必要な栄養が自分のなかに入ってくるのはそこからです。
なんてことのない作業ではありますが、自分がととのい、不思議と安心を感じて、
些細ではありますが、それが喜びとなっている自分に気づきます。
供養や祈り、心願は、こうした精進のなかにある気づきを通じて成就していくものです。
みなさんは自分の心の時間、いま、どんな様子ですか。
さて、今年も残すはあと10日あまり。
年越しに向けて、大掃除も進めています。
一度に済まそうとすると、体も気持ちも疲れるから、少しずつ時間をかけて。
毎年、一年の終わりを迎えるのは早いなぁ、と同じことを思うし、
その感覚が年をとるごとに増していくのは気のせいでしょうか。
これから寒さ厳しくなりますね。
でも、あっという間に暖かな春はやってきますよ。
日々、喜んで精進しましょう。
今年の残された日は、事故のないように、
無理をせず過ごしながら、身の回りが無事であったならば感謝をして、
自らを振り返っては反省をし、心の煤を多少でも払いたいものです。
除夜に鳴らす鐘は、一度手を合わせてから突いて、心を洗い、
その音を聞けば再度手を合わせて、希望を胸にして帰ります。
どうぞ、穏やかな年越しをなさってください。
少し早いご挨拶となりますが、一年間ありがとうございました。
感謝・合掌
◆大晦日・二年まいり
午後22時50分 古札お焚き上げ供養点火
午後23時20分 今年最後のおつとめ・先祖供養 本堂
午後23時40分 除夜の鐘
新年 0時 初祈願 観音堂
厄除け汁、般若湯などご接待いたします。
縁起物は本堂内にお求めください。
お誘いあわせ、道中お気をつけてお越しください。
◆新年 厄除聖観音菩薩護摩供法要
1月4日(日) 午前10時より 観音堂
どなたも自由にご参拝いただけます。
御祈祷護摩札を希望の方は事前申込みを受け付けております。








