唯我独尊
4月8日はお釈迦さまのご生誕の日とされております。
『天上天下唯我独尊』
お釈迦様は右手で天を、左手で地を指し、こうおっしゃったと伝えられています。
この言葉には複数の解釈があるように思います。
◆「すべてにおき私こそが最も尊い」
◆「すべてにおき私は唯一無二であり尊い」 広く知られているのはこの解釈。
◆そしてもうひとつ。
「すべてにおき人間にしかできない使命がある。だからこそ私は尊い。」
最後の解釈で話をさせてください。
人間は尊い。
命あるすべては尊いのですが、人にしかできない使命、その生涯とは如何に。
~四苦八苦~
人生避けては通れない苦がありますよとお釈迦様は言っております。
ただしこの苦とは、苦しみとは訳さずに、「自分では思い通りにならないこと…不如意」と訳します。
まずもって意のままにならない生老病死の四苦があります。
生まれる時代と環境は不如意。
時間の経過とともに老いてゆき、
目に見えぬ病のもとが我が身に入り病気になる。
いつかもわからず意のままにならない死が訪れる。
もう四苦。
愛別離苦、愛する人との別れ。
怨憎会苦、嫌いな人と出会う。
求不得苦、求めるものが得られない。
五蘊盛苦、体と心が受け取ること、発することは自由にはならない。
すべてのことは思い通りに貫くことができない。
誰もが赤ん坊の頃から不快を感じ泣いてきました。親や周囲の人に大切にされ満たされることを覚え、徐々に自分の価値がわかるようになり自分を大切にできるようになります。一方で、自分が一番可愛いと本能に刻まれていくのだと思います。
苦とは、本能にある我が身可愛さと同居するもの。
否定しようのない本能と苦と向き合うことは、静かなの使命のひとつなのでしょう。
~どう向き合うか~
お釈迦様は人々が幸せに暮らすため、本能に対し理性「思いやりの心」を説きました。
『我が身に引き比べて』という言葉を残しております。
お釈迦様は、
『人間は誰でも自分ほど愛しい者はない。しかしそれは他の人にとっても同様である。だからこそ、自分自身を愛しいと知る者は、我が身に引き比べて他の者を害してはなりません。』
と言われたそうです。
我が身に引き比べ思いやる心が、ありがとう、ごめんなさい、いただきますといった言葉になり、また譲る気持ちや人助けの行いにもなるのではないでしょうか。
これもまた明るい使命でしょう。
そして利他の精神の源であります。
合掌
お釈迦様は誠に徳の高い方であり、世の安寧秩序を成そうとした方なのかなと感じます。
春はお釈迦様のご生誕を祝う花まつりが各地で催されます。
真福寺では4月27日(日)11時からのお花見イベントにあわせ、青年僧数名が桜咲く境内において声明実演を行います。気軽にお越しください。
(当日のお花見イベント詳細は新着情報をご覧ください。)