10月日曜仏教会のご案内
10月に皆さまとつどい、真福寺発祥の地寺平へ祖師興教大師のおまいりを
しておりますが、今年は地域山林に熊の出没が相次いだため、今回は断念。
寺平まいりは、来年の春に再度ご案内をさせて下さい。
今回は、祖師興教大師覚鑁上人について知る機会をもちます。
彼岸花咲く、秋の寺平
日時 10月27日(日) 14時より
場所 本堂・客殿
内容 14:00おつとめと法話
14:20 ・覚鑁上人について
・写仏~覚鑁上人を描く~
写仏のお道具はすべてお寺でご用意します。
経験のない方も安心してお越し下さい。
終了後は美味しい蕎麦のお振舞いがございます。
皆さま、お待ち申し上げます。
参加費 500円
参加希望の方は事前にお申し込み下さい。
070-4195‐8939
秋へ
風に、はっきりと季節変わりを感じられるようになりました。
とても暑かった夏が過ぎてからも、長く残暑が続き体が堪えていたせいか、
なおさら、この涼しさが心地よいです。
これから秋が深まってゆくことを風が知らせてくれます。
お彼岸になり、境内では彼岸花がひとつふたつと姿を見せ始め、
赤く咲いた花が目に留まるようになりました。
お中日の日、檀信徒様の協力をいただき、境内清掃をしました。
ほぼ毎日、朝から欠かさず掃除はしているので、景観を美しく保つことに対して
おろそかにしたつもりはないですが、それでも後回しにしてしまう箇所があります。
昨秋から一年間手つかずにした本堂裏側の柵の整備を男性皆さまに頼りました。
女性の方は、経年劣化した参道石畳の継ぎ目にしつこく生えてくる草を
綺麗に取り除いて下さいました。
ご協力いただけることは有難いことですし、つどって奉仕作業につとめることは、
コミュニケーションの機会にもなり、皆さまにとって到彼岸の徳積みともなります。
貴重なお時間、お力添えをありがとうございました。
寺周辺、寺有地の草刈り作業はもうしばらく続きますが、境内の木々はこれから
枯れた葉を落としていき、辺りからは徐々に緑が減っていきます。
この夏も大いに楽しませてくれた美しい蓮の花は、いまはすっかり枯れ、
わびさびといいますか、趣のある姿に変じています。
客殿玄関では秋の風物詩、鈴虫の鳴き声が響いています。
その時の状態により鳴き声は変わるそうで、食事を与え大切に観察しています。
長くはない命です。行き交う人を癒す声を9月のうちは聞かせてくれるでしょうか。
今年は13の器で蓮を育てました。
花だけでなく、大きく立派な緑の葉がたくさん茂りましたが、すでにその色は褪せ、
多くは枯れていきました。
参道に並べていた蓮は、すべて本堂下に移しました。
これから葉が枯れてしまえば、茎を水面から少し残したあたりでカットします。
秋の終わりには、水を張った状態でシートを被せて冬を越す支度です。
暑さ寒さも彼岸まで、という先人の残した言葉には納得させられます。
お彼岸過ぎれば秋が進み、急に気温が下がり上着が必要になります。
近年、お寺では落ち葉の始末に追われては、あっという間に冬支度という印象。
短い諏訪の秋ではありますが、楽しむ視点、日々観察を忘れずにいたいものです。
話題が逸れますが、
海の向こうのメジャーリーガー、大谷翔平選手は、いま季節に例えるとなんだろう。
当然、秋や冬ではない。
秋冬に重ねた鍛錬と蓄えた知識が春に芽を出し、見えぬところで頑丈な根を張っている。
その後は栄養吸収を怠ることを知らない。
太くまっすぐに成長する幹は堂々たるもので、濃い緑の葉を茂らせて健康そのもの。
それに加えて、柳のようなしなやかさだってある。
陽の光を人一倍浴びて、なお栄養を吸収し続け、吠えるかの如く新鮮な酸素を
周囲に広く送り続けている。
まさにエネルギーが満ちている時。
そう、季節は夏。真夏にまぶしく聳え立つ、希望の大樹のようです。
真福寺の蓮は、今年56の花が咲きました。
大谷選手には、ぜひ56まで本塁打数を伸ばしてほしいなぁ。
合掌
信心灯る巡礼
関東より、諏訪三十三観音まいりの方々がお越しになりました。
四日かけて巡礼し、その最終日、27番から結願までのおまいりでした。
当山は結願寺のひとつ前にあたる、32番札所。
ご一行のお堂までの足の運び、読経のお姿を拝見し、
随分と元気なご様子とお見受けしました。
そこで、皆さんお疲れを感じませんね、とお伝え申し上げたところ、
苦笑され、一斉に首を横に振りました。
そう、巡礼はとにかく疲れるんですよね。
訪ねる一ヶ寺一ヶ寺でめぐりあう仏さま、美しいお庭、寺の気、
また住職をはじめとする寺族とのご縁のなかで、笑顔になり、
励まされ、癒され、気持ちが奮い立ってゆくものです。
自身、巡礼、お遍路から随分と遠のいてしまいました。
四国八十八ヶ所霊場を一人で歩き遍路したのが、平成15年の春。
県内の方々の西国三十三観音巡礼に先達として同行したのはその年の夏。
しかし、途中、私が秋から京都本山に奉職することになり、そのお役目は最後まで
果たすことができませんでした。
本山奉職時も修行僧とともに四国霊場を巡礼させていただきました。
その最後の機会が平成19年の冬。
以来、霊場巡礼の機会は一度もございません。
今年、岡谷の目上のご住職様が、お檀家様を連れ、自ら車を運転して
四国霊場を巡ったとお聞きし、感銘を受けました。
私もまた、皆さんと一緒に巡礼に出向きたい思いがあります。
巡礼に興味関心のある方は、行きたいのだけど、日常でなかなか機会がないと
口を揃えて仰います。
つまりは、これを計画して皆さんをつどい、お連れするのは寺の使命です。
僧侶が先頭に立ち、非日常へと導くのです。
家を離れ、一日朝から夕まで寺をつないでゆく巡礼は、普通の旅とは違い、
己と向き合い、己を知ろうとする心身修行の一面があります。
そして、巡った先での様々な出会いによって多くの喜びにも恵まれます。
その喜びとは、日常では得難い、行の疲れを忘れさせてくれるものだったりするのです。
巡礼を成満した時の感動は、傷を癒し、心を満たし、生きる力を与えてくれます。
信心が「灯る」瞬間があるのが巡礼。
一日を終えた夜は、同行の仲間と胸の内を語らうのも醍醐味のひとつでしょう。
そして、幾度となくいまの有難さに気づき、生きている実感をいただきながら、
おまいりの声や背中はおのずと力強さを増してゆきます。
合掌
諏訪三十三観音霊場 第32番 真福寺観音堂
本尊 聖観世音菩薩
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