京都智積院の桔梗
本山智積院の寺紋は桔梗。
若葉の頃、智積院の境内を歩くとすっと伸びる桔梗が目に映る。その紫の色づきはなんとも気品に溢れている。本山に奉職してた頃、夏の暑さのなか凛と咲く桔梗が好きでした。年に二度花を咲かすとも言われています。
智積院の桔梗 花言葉:変わらぬ愛
桔梗紋の由来は豊臣秀吉の家臣であった築城の名手として知られる加藤清正の家紋から。
智積院のもとには祥雲禅寺というお寺がありました。豊臣秀吉の子、まだ幼き3歳で他界された「鶴松」の菩提を弔うお寺であったそうです。現在は根来から来られた玄宥僧正を第一世能化とする真言宗智山派の総本山、総菩提所、総祈願所でありますが、その以前はその名のとおり禅寺であり、現在宝物館に管理される、長谷川等伯作国宝障壁画もそこに飾られていたようです。
豊臣秀吉が加藤清正に命じたのが祥雲禅寺の建立でした。やがて立派な寺が建立されたことを喜び、造営奉行を務めた加藤清正の家紋が寺紋とされたようです。
さて、10日間ほど智積院に研修に来ております。
桔梗の他に蓮も見られました。蓮は例年と比べ多少開花が遅いそうです。この時期の京都にしてはまだ朝晩が涼しいことが影響しているのだとか。
汚泥から美しく咲く蓮のそのさまは、ほとけさまの象徴です。ほとけさまが座るところを蓮華座といいます。
蓮のつぼみ 合掌して 咲くそのときをじっと待つ
黒衣を纏う僧侶と挨拶を交わします。4月から入山した30名近い修行僧の日常精進の姿、朝のお勤めの姿が素晴らしい。智積院を語るとき必ずその魅力にあがるのが、智積院内の僧侶、宿坊智積院会館にお泊まりのお客さま、その他参拝者が一同に会して行われる朝の勤行であります。
これこそ京都随一の宗教体験です。
私の修行時代の同期の方が栃木から多くのお檀家様とともに宿坊に泊まり、朝勤行の参拝をされました。 毎年この時期になると団参しておられます。
近い将来、真福寺のお檀家様方との本山参拝を企画することを楽しみに思っております。
合掌
金堂(本堂)に向かう参道
東日本大震災物故者供養塔
寺子屋体験
このたび夏休みの寺子屋開催を企画し、先日、東京にあります総本山の別院真福寺に青少幼年指導者養成講座を受講してまいりました。
~プチ寺子屋体験~
この講座においては、寺子屋企画寺院を対象に、智山派教化センターの先生方より全国の寺子屋の事例紹介から始まり、企画、広報、安全対策など必要とされる要素をすべて含む丁寧な指導をしていただける、とても充実してありがたい内容でありました。
なによりも受講者である自分たちがこども役となり、プチ寺子屋を体験できるという企画もあり、実践感覚を養うことができたと思います。
今まで一度もしたことがなかった腕輪念珠づくりが、こんなに楽しいものだったとは。
好みの色の珠を自由にとってひもに通していきます。とてもシンプル。
久しぶりの写仏。それを灯篭にする工作をしましたが、これも没頭してしまいました。
プチ体験ということで時間は十分にはありませんので、どれも急がされ未完成ではありましたが、それでも実際に手作りすることの楽しさを実感できました。
今年から当山真福寺でも、夏休み期間に「寺子屋」が開催されます。
★目的は、
寺という非日常空間において、仏さまの姿があるもとでこそ得られるこどもの心身成長。その一助となる時間を提供し、大人である僧侶も共に過ごし学ぶことであります。
写仏や仏教工作を楽しみながら仏さまに近づき、また座禅などの修行にも取り組みたいと企画しています。
詳しくは新着情報-行事告知-をご覧ください。
ご参加お待ちしています。
ヤングコーン
写真のモロコシ。ヤングコーンと呼んだりベビーコーンと呼んだり。サラダに入っているのをいただくことがありますね。
このたびお檀家さまからたくさんのヤングコーンを頂戴しました。
さっそくこどもにも手伝ってもらいながら、みんな遊び感覚で皮を剥きます。
そして剥くと透明感あるきれいなヒゲがぎっしり!しかもシャキッとして並び、なんともみずみずしい!
このヒゲを食べてみたい。そう思い調べると、いろいろヒゲレシピがあるのですね。
ご立派なヒゲ達の中に包まれていたヤングコーン。もちろん新鮮で立派です。
もろこしはつぶの数だけヒゲがある。ヤングコーンもそれは同じ。大切に包まれているんだなあ、なんて考えながらの楽しい作業でした。
日頃の食事、できあがりの姿から口にするより、このような作業より参加すると美味しさに増し感がでますね。
美味しく頂戴しました。ありがとうございました。
美しいヒゲたち
口にするもろこしつぶの数だけあるはずのヒゲたち。揚げてたべると美味しいみたい。
弘法大師の言葉より
当山は真言宗のお寺であり、真言宗の開祖として仰ぐは弘法大師空海であります。
正しくは真言宗智山派という宗派に属しており、弘法大師入滅後に真言宗の新義教学の礎を築かれた真言宗中興の祖、興教大師覚鑁も仰いでおります。
この両祖大師のご生誕が6月であります。(15日:弘法大師 17日:興教大師)
京都本山智積院では毎年6月15日に両祖大師のご生誕を慶祝する大法要ならびに柴燈大護摩供が厳修されます。その他さまざまな催しが行われ多くの参詣者を迎えております。
それを総称して青葉まつりと呼んでいます。
さて、今月のHP内「言葉の力」には弘法大師の残されたお言葉を紹介しております。
重々帝網なるを即身と名づく
重々帝網(じゅうじゅうたいもう) 即身(そくしん)
これは、弘法大師のお書きになられた『即身成仏義』内の偈文の一節。
重々帝網とは、帝釈天の宮殿を飾る輝く網のことであり、網の結び目の一点一点は宝珠になっているそうです。そして、その宝珠は互いを照らし映し合い、全体が鏡映しており、これこそが私たちの世界の実の姿なのだというわけです。
網の結び目にいるのは、実は私たちであり、縁なくして存在するものは無く、縁を生じないまま消滅するものも無い。すべてが有形無形のつながりの内にある世界。可能性が回りまわって、その数多の思いや恵みに支えられているのでしょう。
“生かされている”って、誰もが一度は聞いたことのある表現ですよね。
結び目の宝珠は照らし映し合い、全体は鏡映する。
それが私たちであるならば、密教でいう曼荼羅世界で大日如来の法が響き合い一尊一尊が供養し合うように、慈しみの心でつながっていたい、できる限り傷つけ合いの連鎖は避けたいと感じるのです。
禅にも同じく解釈したくなるお言葉があります。
「一即一切一切即一」
合掌
弘法大師空海 (真福寺本堂)
興教大師覚鑁 (真福寺本堂)
智積院青葉まつりー両祖大師ご生誕慶祝法要 導師上堂の様子ー
智積院青葉まつりー柴燈大護摩供の様子ー
夏休み寺子屋始まります
真福寺で第1回目となるこども寺子屋を開催します。
対象は小学生です。
第1回真福寺こども寺子屋
~夏休み半日寺修行~
7月28日(月)14時~19時 本堂 客殿にて
写仏・灯篭づくり・座禅体験など
詳細チラシはこちら お申し込みお待ちしております。
目的は!
一、お寺で仲間と過ごすことで心身健やかに
一、仏さまと出会える(感ずる)機会を
一、楽しく修行~けじめとは~
何も語らない仏さまから 伝わることがあります
いつもとちがう空間には 気づきがあります
仏さまと出会う つながるのが 寺
自分をさがす すこしみつかるのが 寺
満ちて帰ろう 寺子屋で
申込期日は7月20日まで。
後悔
真福寺には月二回、日曜日早朝の朝まいり会というものがあります。
毎週ではないために、お檀家さまにとって開催日を間違えやすいのです。寺族さえも前日まで勘違いしていることがありますから。
先日の朝、いつものようにお勤めに向かうため客殿玄関を開けようとしたところ、一人のお檀家さまが外の椅子に腰掛けていました。
その日が朝まいり会だと思い、玄関が開くのを待っていたようです。
私ー「朝まいり会は次の週ですよ。」
お檀家さまー「あらそうかい。また間違えちゃったかい。」
私ー「せっかく来ていただいたのに。」
お檀家さまー「最近、間違いが多くてねぇ。」
お檀家さまがお帰りになる背中を見ると、私は本堂でお勤めを始めました。
読経の途中で気付いたのです!
お檀家さまは間違ってなんかないのです!
「どうぞせっかく来ていただいたから、あがってお参りして下さい。」
どうしてこの言葉がでなかったのか。
お檀家さまにとって、この日を間違えた朝とするのか、お参りした朝とするのか、それを決めてしまったのは寺族の私であったということ。
後悔しながら一人お経をあげました。
ごめんなさいね。
2014年6月の「言葉の力」
世は重なる網目のようになっている
つながりの一点々々に私たちがいる
つながりにより
想いがつたわり
つながりにより
生命の維持がある
6月15日は弘法大師ご生誕の日