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夏の終わりの風物詩

6月、驚きの早期梅雨明け宣言に始まった今年の夏。

すぐに全国的に猛暑日が連日記録され、その先も暑く、そして長い夏になる

だろうと、体調に不安を抱いた夏の始まりでありました。

 

あれから2カ月近くになります。

やはり、時が過ぎるのは早いものですね。8月もお盆を終えました。

おかげさまで例年通り、夏の法務をこなすことができ、今頃になって体に溜まった

疲れを自覚し始めた頃、辺りは秋の気配が漂っていることに気づかされます。

陽が短くなり、見上げればすっかり秋の空になりましたね。

 

 

8月16日、送り盆の日の夜、岡谷では送り火法要が初開催されました。

一昨年に幕を閉じた灯ろう流しのご供養を岡谷市仏教会が受け継いで、

新たなかたちで営んだ先祖供養です。

また、同会場で3年ぶりに岡谷花火まつりが開催されました。

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湖上に浮かぶ精霊船

 

以前のような灯ろう流しは出来ませんが、読経が始まると故人を送る精霊船が

諏訪湖を流れて往きました。

また、会場に飾る故人のご戒名が筆入れされた灯ろう供養の数は80基、

お焚き上げ塔婆供養の数は、昨年の送り盆法要で申し込みを受けた分も加え、

500近くにもなり、時代とともに形は変わっても、変わらない心があることを

ここに感じました。

 

法要後には諏訪湖上に花火が上がりました。

あいにくの雨天でしたが、大勢の皆さんが傘をさしたまま空を見上げ佇み、

岡谷の夏の風物詩がやっと戻ってきたことを実感した夜でした。

 

この日の花火は、いろんな人がそれぞれの思いをもって観ていたことでしょう。

岡谷を故郷とする地元の方もいれば、おそらくコロナ禍に移住してきた方もいる。

家族を亡くし、この夏が寂しいお盆となった方も多くおられたはずです。

昨年夏の自然災害に心痛めた方もおられたのかもしれない。

 

 

ある方が投稿されたSNSを拝見すると、このような言葉が添えられていました。

 

「花火があがったとたん涙が溢れた。傘さしていないことも気づかず。」

 

「このまつりを主催運営する人たちの懸命な気持ちが伝わってきた。」

 

 

3年続くコロナ禍に、生活がガラリと変わり、私達が失ったもの、

あるいはこれからさらに失ってしまいそうなものもあります。

そんななかで、大切なものを取り戻そうとする方たちがおられるのですね。

自分の育った故郷を愛し、その魅力を再び分かち合おうと奮闘する方たちが

おられるからこそ、人は感動に気づき、心の傷さえも癒されたのかもしれません。

 

 

お盆とは何かの問いに、

自分のご先祖に感謝する時、という言葉を昔から多く聞かされてきました。

それとともに思うことは、

我々は人に対して「優しさを取り戻さなくてはならない時期」

あるのではないでしょうか。

 

コロナ禍に生じた争いは、いつか空虚となるであろうことに気づき、

早く優しさの実感や距離感を取り戻したいと思うのです。

 

例えば、あの日の雨に濡れた頬をつたう涙に気づいてあげられるような。

 

例えば、花火の音に隠れてつぶやいた言葉の意味を一緒に探してあげられるような。

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今年も夏が終わります。穏やかな秋の訪れに、これから小さな感動にいくつも

出会えるよう心を澄まし、希望をもって過ごしてみませんか。

                                合掌

ロウソクの灯り~古式の写経~

毎月末日に行っている晦日キャンドル写経。

6月は遠く東京からお越しになった方がいらっしゃり、写経を終えたあと、

本堂にお参りしながら、色々と今日に到るまでのことをお話下さった。

秘めた思いを外に伝えることは、誰でも勇気や覚悟が必要であると思う。

きっと、この方にとって、他人に胸の内を明かす前に、まずこのお寺の写経道場に

身を置き、写経を通じて自身と向き合う時を必要としていたのだと感じました。

 

 

毎月21日朝の写経会の他、月末の夜、寺の和室にロウソクを灯し、

荘厳な空間において写経を実施するようになり10回目となります。

このキャンドル写経は、取り組んだ人それぞれに受け取り方があって、

この場に手放してゆく気持ち、何かを感じとって持ち帰っていく気持ち、

皆様々なのだとわかるようになってきました。

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7月の晦日は、辰野からお一人で参加された男性が、写経を終えたあと、

こんなことを話して下さいました。

 

ロウソクの灯りを見ていることが気持ちよかった。

 

「一定じゃないんですよね。揺れたり、伸びたり、かと思えばしばらく止まっていたり。

ロウソクの灯りって、見ていてこんなに気持ちのいいものなんですね。

ああ、自分も一緒だなって。」

 

 

この方にとって、ロウソクそのものが非日常。

ましてや、ロウソクの灯りだけの部屋で写経に筆を走らせることなど、

日常には有り得ないわけです。

 

 

ロウソクの灯りは、身心ともに効果を感じとることができます。

この方の言うとおり、その灯りは留まることなく、

揺れては止まり、伸びては戻り、不規則な動きを見せます。

それは、心に優しく染みていくようなとても穏やかな動き。

このロウソクの揺れ動きを見つめ、不思議と人の心はほぐれていくのです。

 

 

 

ロウソクの灯りだけを頼りとして勤める古式の写経。

その灯り以外は何もないところで、手元の文字だけに心を集中していきます。

ロウソクの灯り以外に何もないところに、ひと月の心の垢を落としていきます。

 

 

私は、手放したい感情があれば、ここに置いていってほしいと思っています。

感謝を表したい時は、経文一字一字に心を映すことに専心すればよいと思います。

心に痛みあるときは、経文とロウソクの灯りがきっと癒してくれることを願っています。

 

 

 

その方は最後にこうおっしゃいました。

 

ロウソクの「火」はずっと見ていられますね。

 

私もそう思います。

火も様々。人を恐怖に陥れる火もある。

写経道場に灯された火はどうか。

この火は、人を「安心あんじん」に導いてくれるご本尊様の見守りの灯りです。

そして、そのもとにある経文も。

 

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仏さまに見守られるように写経の修行に勤め、それをご本堂にお納めいただく。

夜のお寺にひととき心を休め、心を潤す晦日まいりが、明日から新たな月を

歩まんとする人たちの「発心」の一助となれば幸いです。

                        合掌

 

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毎月末日19時より (無料)

参加したい時は事前にお申し込み下さい。

当日予約も可能です。一人でもご希望の方がおられれば開催します。

 

写経内容:理趣経百字偈 (所要時間 約30分)

2022年8月の「言葉の力」

人生は苦なりと明らめよ

  ~明らめる~
一切皆苦を受け入れて
そこからがスタートです
いくつもの喜びに
出会えますように

月別一覧

今月の「言葉の力」

人生は苦なりと明らめよ

  ~明らめる~
一切皆苦を受け入れて
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言葉の力一覧

聖観音縁日護摩修行
ととのう写経体験
癒しのおてらヨガ

法事・年忌法要早見表

亡くなった年 本年回忌
令和5年 2023年 一周忌
令和4年 2022年 三回忌
平成30年 2018年 七回忌
平成24年 2012年 十三回忌
平成20年 2008年 十七回忌
平成14年 2002年 二十三回忌
平成10年 1998年 二十七回忌
平成4年 1992年 三十三回忌

真福寺の法事について

厄年早見表

大厄(男性)

  • 24
    平成13年生
    (前厄)
  • 25
    平成12年生
    (本厄)
  • 26
    平成11年生
    (後厄)
  • 41
    昭和59年生
    (前厄)
  • 42
    昭和58年生
    (本厄)
  • 43
    昭和57年生
    (後厄)
  • 60
    昭和40年生
    (前厄)
  • 61
    昭和39年生
    (本厄)
  • 62
    昭和38年生
    (後厄)

大厄(女性)

  • 18
    平成19年生
    (前厄)
  • 19
    平成18年生
    (本厄)
  • 20
    平成17年生
    (後厄)
  • 32
    平成 5年生
    (前厄)
  • 33
    平成 4年生
    (本厄)
  • 34
    平成 3年生
    (後厄)
  • 36
    平成元年生
    (前厄)
  • 37
    昭和63年生
    (本厄)
  • 38
    昭和62年生
    (後厄)
  • 60
    昭和40年生
    (前厄)
  • 61
    昭和39年生
    (本厄)
  • 62
    昭和38年生
    (後厄)

真福寺の厄除けについて

厄年は「数え年」を基準としています。

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