後悔
真福寺には月二回、日曜日早朝の朝まいり会というものがあります。
毎週ではないために、お檀家さまにとって開催日を間違えやすいのです。寺族さえも前日まで勘違いしていることがありますから。
先日の朝、いつものようにお勤めに向かうため客殿玄関を開けようとしたところ、一人のお檀家さまが外の椅子に腰掛けていました。
その日が朝まいり会だと思い、玄関が開くのを待っていたようです。
私ー「朝まいり会は次の週ですよ。」
お檀家さまー「あらそうかい。また間違えちゃったかい。」
私ー「せっかく来ていただいたのに。」
お檀家さまー「最近、間違いが多くてねぇ。」
お檀家さまがお帰りになる背中を見ると、私は本堂でお勤めを始めました。
読経の途中で気付いたのです!
お檀家さまは間違ってなんかないのです!
「どうぞせっかく来ていただいたから、あがってお参りして下さい。」
どうしてこの言葉がでなかったのか。
お檀家さまにとって、この日を間違えた朝とするのか、お参りした朝とするのか、それを決めてしまったのは寺族の私であったということ。
後悔しながら一人お経をあげました。
ごめんなさいね。