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寺族日記

修行時代の仲間

8月最後の日、修行時代の仲間との同窓会が東京で開かれました。

私が修行僧として本山である京都智積院に入ったのが平成13年3月。25歳の時。

全国各地から集った30名がその春入山しましたが、

やむなくの下山者もおり全員で卒業することは叶いませんでした。

研鑽、寝食をともにし、無事に春の卒業を迎えた仲間により、同窓会が始まりました。

最初は東京、次は東北… 全国の仲間のもとで毎年行われてきた同窓会ですが、

震災の年以降は数年行われず、久々の集まりを再び東京としたわけです。

発起したのは修行当時18歳だった埼玉錫杖寺の江連君。

 

一年間の僧堂生活であります。

たった一年の中にぎゅっと僧侶を養成する為のカリキュラムが詰め込まれ、

寺に寝泊まりし朝から晩まで修行僧としての生活をおくり、

卒業までに皆それなりの僧侶らしく育てていただき巣立つのです。

年齢は下は18歳、上は60歳を過ぎた方も多くおられます。

わずかですが、尼僧さんも事情を抱えて修行の門をくぐります。

僧侶に成るために本山に修行に入る。そのスタート時点の形は皆同様ですが、

そこに至るまでの過程、事情というのは様々なものがあります。

必然的なもの、前向きな決心もあれば、前向きとはとれない事情、

深い悲しみを背負ったままの決意、そして運命的なもの。

頭を丸めて入山する春を迎えるまでの、その人の歩み、

社会において担った職務や立場、学歴や経験は実に様々。

 

しかしそこは、それまでにどんな経験がありスキルを持とうが、

そして社会での立場があろうが、関係がありませんでした。

それを語ることに意味を持ちませんでした。

同じ修行僧。

僧侶を志し本山に入った30分の1。

そこに本来上下関係や差別はない。

 

実際はというと、高校卒業したばかりの18歳の者にとって、

そこは年上ばかりであり気を使う毎日。

60歳過ぎて、長い会社勤めから退いてこられた方にとっては、

会社の部下よりもはるかに若いような者達に体力がついていかず、

修行僧の中におのずと形成される組織のリードを若者に譲り、

若者に足並みをそろえなくてはならない、その年になっての苦労。

皆、常識が違う。バラバラな者の集団生活。それぞれにストレスが生じておりました。

覚えることが多くあり、その時期を夢中に過ごし、体力がものをいい、

迷惑をかけぬよう必死に足並みをそろえ、やがて慣れるものは慣れ、実るものは実り、

少しずつ自分の居場所やペースというものをつかめていきます。

最後に残るもの。それは人間関係でした。

これはきっと、僧堂生活であろうと、学校であろうと社会であろうと、

どの環境においても同じです。

大切なことは人間関係。人とのつながりを実らせるということです。

 

一年間、修行中は一同がフラットであり、人の過去や経験はあまり見ようとはしません。

興味の対象になるのは、一年と限られた時間の中での、その人のこと。

僧堂生活という、とても狭い社会における姿勢や成果、関わり。

そこに勘違いが生まれ、人を見誤ります。その人の歩んできた道を知らないのですから。

 

だからこそ、卒業して同窓会などで再び集い、話すと常々思うことがあります。

人はどのようにして生きてきたかがとても重要である。過程が大切なのだということ。

改めて、過程において身につけてきた経験が人を支えていることに気付かされます。

実は同じ衣を身に着けていても、その人の人生が活かされた僧侶になっていくのです。

出家して僧侶となることは、過去を捨て去ることではないのです。

 

少なくとも私の修行僧の仲間は、

その僧侶の姿に、過去に重ねた経験が光りはじめています。

そして、これから先に積み重ねてゆくもの、その歩みが将来なにかしらの形になります。

これからも謙虚にそのことを忘れずにいたいと思います。

 

同窓会・・・鍋を囲み楽しくお酒を飲みながら・・・

12年前、修行僧として本山にいた頃の話に花を咲かせます。

当時33歳だった仲間の話だ。

寺の住職が倒れ、まわりから急遽住職となることを急がされ、決意せねばならず、

会社を辞め、妻子を残し、長い髪を剃り落として本山に修行に入った。

3月31日は本山に入山する日。その前日はこどもを連れて、

家族みんなでデイズニーランドに行き、別れの日を楽しく過ごした。

ディズニーランド・・・夢の国・・・夢と魔法の輝きの世界。

素敵なメロディーに包まれて・・・。

 

その24時間後に見たもの。 

シ~ンとした畳敷きの暗い場所。 寒い京都の寺の中・・・。

夜中に起こされ、下駄の音とお経に包まれて・・・。

なに、このギャップ! 信じられなかった・・・。

 

こんな話に大笑いしながら騒げる仲間がいる。

「原点」があることがつくづく幸せであります。

 

来年の同窓会は長野県開催となりました。

幹事としてみなさんを諏訪にお招きします。

                                                                         合掌

月別一覧

今月の「言葉の力」

雪を暖かいと表現できる日本人の心の豊かさ

心で観る奥深さは
音ないものを音にして
見えぬものを見させる

言葉の力一覧

聖観音縁日護摩修行
ととのう写経体験
癒しのおてらヨガ

法事・年忌法要早見表

亡くなった年 本年回忌
令和5年 2023年 一周忌
令和4年 2022年 三回忌
平成30年 2018年 七回忌
平成24年 2012年 十三回忌
平成20年 2008年 十七回忌
平成14年 2002年 二十三回忌
平成10年 1998年 二十七回忌
平成4年 1992年 三十三回忌

真福寺の法事について

厄年早見表

大厄(男性)

  • 24
    平成13年生
    (前厄)
  • 25
    平成12年生
    (本厄)
  • 26
    平成11年生
    (後厄)
  • 41
    昭和59年生
    (前厄)
  • 42
    昭和58年生
    (本厄)
  • 43
    昭和57年生
    (後厄)
  • 60
    昭和40年生
    (前厄)
  • 61
    昭和39年生
    (本厄)
  • 62
    昭和38年生
    (後厄)

大厄(女性)

  • 18
    平成19年生
    (前厄)
  • 19
    平成18年生
    (本厄)
  • 20
    平成17年生
    (後厄)
  • 32
    平成 5年生
    (前厄)
  • 33
    平成 4年生
    (本厄)
  • 34
    平成 3年生
    (後厄)
  • 36
    平成元年生
    (前厄)
  • 37
    昭和63年生
    (本厄)
  • 38
    昭和62年生
    (後厄)
  • 60
    昭和40年生
    (前厄)
  • 61
    昭和39年生
    (本厄)
  • 62
    昭和38年生
    (後厄)

真福寺の厄除けについて

厄年は「数え年」を基準としています。

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