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寺族日記

密厳院發露懺悔文

毎年12月10日~12日までの三日間、真言宗智山派総本山智積院では、真言宗中興の祖であり、新義真言宗教学の基礎を築かれた興教大師覚鑁上人への報恩謝徳をいたす報恩講を行っています。

真言宗智山派はその法流をたどれば、基礎は新義真言宗‐覚鑁上人のおられた紀州根来寺にあります。

常私たちは、真言宗の宗祖弘法大師とともに南無興教大師とお唱えします。

堂内両脇には両祖大師をお祀りし拝しております。

 

12月12日は覚鑁上人のご命日であります。

49年のご生涯。その大半を高野山で過ごされました。

20歳の時に高野山に入山し、40歳の時には座主の座に就かれております。

ですが、その後高野山を下り根来に移り、そこを新義真言宗教学の拠点とし、後の生涯を根来で過ごされました。

 

高野山での覚鑁上人。

弘法大師の教学を拠り所として重んじ、真言宗を立てなおしました。

高野山には座主の座を下りた後に過ごした住房、密厳院があります。

そこで1000日間とも伝えられる「無言行」を行い、後に『密厳院發露懺悔文』をお書きになられました。

 

私は京都の本山で修行僧として過ごした時期に、この懺悔文の存在を知りました。

毎月根来より来られる先生が講義の前に必ず読んでくださったのです。

詳しく解説していただいたことはありませんが、繰り返し聞いているうちに言わんとしていることが身に染みてきました。

身に染みて読める一文と出会い、毎朝みんなでこれを読み、覚えました。

 

覚鑁上人は高野山で何を見て何を感じ、何を憂い、これを書かれたのでしょうか。

               密厳院發露懺悔文

我等懺悔す 無始よりこのかた 妄想に纏はれて衆罪を造る

 身口意の業 常に顛倒して 誤って無量不善の業を犯す

珍財を慳悋して施を行ぜず 意に任せて放逸にして戒を持せず

 しばしば忿恚を起して忍辱ならず 多く懈怠を生じて精進ならず

心意散乱して坐禅せず 実相に違背して慧を修せず

 恒に是の如くの六度の行を退して 還って流転三途の業を作る

名を比丘に仮って伽藍を穢し 形を沙門に比して信施を受く

 受くる所の戒品は忘れて持せず 學すべき律義は廃して好むこと無し

諸佛の厭悪したもう所を慚じず 菩薩の苦悩する所を畏れず

 遊戯笑語して徒らに年を送り 諂誑詐欺して空しく日を過ぐ

善友に随がはずして癡人に親しみ 善根を勤めずして悪行を営む

 利養を得んと欲して自徳を讃じ 名聞を欲して他愚を誹る

勝徳の者を見ては嫉妬を懐き 卑賤の人を見ては驕慢を生じ 

 富饒の所を聞いては希望を起し 貧乏の類を聞いては常に厭離す

故に殺し誤って殺す有情の命 顕はに取り密かに盗る他人の財

 触れても触れずしても犯す非梵行 口四意三互に相続し

佛を観念する時は攀縁を発し 経を読誦する時は文句を錯る

 若し善根を作せば有相に住し 還って輪廻生死の因と成る

行住坐臥知ると知らざると 犯す所の是の如くの無量の罪 

 今三宝に對して皆発露し奉る

 慈悲哀愍して消除せしめ賜え 乃至法界の諸の衆生 三業所作の此の如くの罪

 我皆 相代って尽く懺悔し奉る 更に亦その報いを受けしめざれ

 

◆我は懺悔する。妄想にとりつかれて、もろもろの罪を犯してきた。

◆身と口と意(こころ)の行いは常に正しくはなく、多くの悪行を誤って犯してきた。

◆財産を惜しんで人に施さず、気の向くまま節度ない生活をし、戒めなど守らなかった。

◆よく腹を立て、我慢ができない。怠けてばかりで少しも努力をしない。

◆心が乱れていて座禅のこころが落ち着かない。

◆真実にはずれているのに、智慧を観ようともしない。

◆六波羅蜜行をしないのは、地獄・餓鬼・畜生への輪廻のもとをつくっている。

◆僧侶の名を借りて寺院を汚し、僧侶の格好をしてお布施をもらっている。

◆授けられた戒律は忘れてしまい、学ぶべき修行は嫌いになっている。

◆諸仏が忌み嫌うことを恥とせず、菩薩たちを悩ませていることを恐れない。

◆遊び楽しんで年をとり、心にもない言葉、嘘や悪口を言っている間にむなしく日は過ぎていく。

◆善き友を避けて愚かな友と親しみ、善いことをしないで悪いことをしてしまう。

◆名誉欲しさに自画自賛をし、徳高い人を見てはねたましく思う。

◆自分より劣った人を見ては高慢になり、裕福な暮らしにあこがれ、貧しき人を見てはおぞましく思う。

◆故意に、あるいは誤って命を奪ってしまい、公然とあるいは密かに他人のものを盗んでしまう。

◆触れても触れなくても、不倫な行為は不倫である。

◆悪い言葉や心の働きが重なり仏を観想しても心が落ち着かず、経を読んでも間違える。

◆善い行いをしてもその見返りを期待するから、かえって迷いの世界に入るもととなる。

◆毎日の暮らしのなかで、知らないうちにたくさんの罪を犯している。

  いま、仏・法・僧の三宝の御前で告白いたします。

  どうか慈悲のお心で御許しください。

  ここに、すべてを懺悔いたします。 

  自らの行い、言葉、心の働きによって生じた罪を、

  私はすべての人に代わって懺悔いたします。

 

覚鑁上人亡き後、850年以上の時が流れた現代においても、間違いなくこの全文は多くの人の心に響きます。

「内観の聖者」と呼ばれる覚鑁上人は、重ね続けた瞑想の中で、自分の内に何を観ていたのでしょうか。

その風景、情景は計り知れません。

現代の世相と自身に照らして、身に染みていただく覚鑁上人のお言葉です。

 

興教大師像

真福寺発祥の地、高尾山麓寺平(岡谷市川岸)に今も静かに安置される興教大師座像

今月の「言葉の力」

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  • 60
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    (前厄)
  • 61
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  • 62
    昭和34年生
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