慣れの表裏には ー信は荘厳なりー
2015年が明けて一週間が過ぎました。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
諏訪地方は昨年師走の後半から頻繁に雪が降り、毎日のように雪掻き作業が続きました。
大晦日の晩から元旦にかけても雪降りが続き、皆さんあちこちでコンディション整わぬなかのお参りにご精進されたかと思います。
年末から境内、駐車場の除雪を気にかけてくださり、整備を助けて下さった総代様ありがとうございました。
三が日を過ぎるとやっと天候が安定してまいり、安堵して今日を迎えております。
お寺の本堂では年始にご葬儀がございました。
このたびの葬儀では、ご霊前のお供えがされる机には故人へ感謝状が額に入り、立て掛けて飾られておりました。
読経中予期せぬ出来事が・・・。
木魚がぽくぽくと鳴り、少しほど額が動いたのが見えました。
次の瞬間!額がすべり下に落下!
「ガシャンッ!」 参列者が驚きます。
さらに下の机には塗香の入った法具が置かれており、その上に落ちたことで法具までもが落下し塗香が舞い散らかりました。
直ちに額と法具を元のとおりに直します。
そしてしばらく読経、木魚が続き、終盤にさしかかった頃、なんとまたも額がすべるのが見え、あぶないっと思った時には再び落ちてしまいました。
なんと申し訳ないことを。
読経中に予期せぬ出来事が・・・。と書きましたが、これが予測出来ぬこと自体、葬儀を執行する僧侶として失格です。
ご遺族はじめ故人と縁あるご参列のみなさんにとって唯一の葬儀。事前に会場内を360度見回し、葬儀中に起こりうることを予測しておくことが僧侶の心得であり仕事です。
開式前に感謝状の額がどのように飾られているかを気にしなかったことは、取り組み意識に欠ける大きな反省でありました。
大切なものをこのように扱ってしまい申し訳ありません。
額が割れなくて良かった・・・。
物事の「慣れ」には「良し悪し」が表裏一体としてあります。
その影には事故の因なるものも潜んでいます。
気をつけねば!
「徹底した荘厳」は、修行中に先生方から教わったことでした。
『信は荘厳なり』
心引き締められた今日の出来事でした。
合掌