伊那成田山の節分会にて
2月2日、3日、伊那の成田山恩徳寺で行われる節分会護摩法要に出仕しました。
こちらは信州伊那成田山として信仰を集める名刹寺院であります。
真言宗智山派総本山智積院の末寺であるとともに、成田山新勝寺の末寺でもあります。
本尊不動明王は成田山新勝寺の不動明王のご分身、御身代わりとして祀られております。
大聖不動明王といっぱ、内に慈悲の誓いを秘め、外に忿怒の形を現ず、
大日如来の教令輪身、諸魔降伏の忿怒尊なり。
(祈願文より)
3日の節分会は、早朝から夕方まで続く護摩法要に大変多くのご参詣がありました。
毎座の護摩修行後には、堂内においてご参詣の皆さまと一緒に『福は内!』と大きな声を合わせ、厄年の方、私たち僧侶が豆まきをしました。
法要と豆まき式を終え、明るい表情でお帰りになるご参詣方々のお顔が印象的です。
恩徳寺の節分会護摩法要には、恩徳寺御住職、役員のもとに、特には松本、塩尻より同宗派寺院の住職、副住職、御札浄書役が集い、法要を助けております。
他、総本山智積院の修行僧(智山専修学院生)も京都より3名来山し、実践・研修の場として私たちと同じく法要に出仕し共に過ごしました。
京都本山から来られた修行僧
2月の節分が過ぎ暦のうえでは春とはいえ、信州はまだまだ冬の厳しさが増し、一層多くの積雪も予想されるこの頃です。
年明けよりひと月があっというまに過ぎ去り新たな月を迎え、いま一度年頭の初心を心に留める時であります。
先日テレビをつけると、清掃業に30年勤める職人が、自身が大切にしている流儀についてこのように語りました。
「仕事を怖がれ」
怖がるからいい仕事ができると。
強烈なインパクトを覚えました。
仕事を楽しめ、とは何度か言われたこと、聞いたことがあります。
むしろ楽しむ心がけの方が大切だとも思っております。
では、怖がれとはどういうことなのか。
少し考えさせられました。
自分なりの解釈ではこう考えます。
“初心を失い”仕事をすることを怖がれと。
このたび本山の修行僧とともに過ごしたこと、また、ふとつけたテレビで語られた言葉があったことで、なんとなく初心の大切さを考えてみる時間のあった、伊那で過ごした2月のはじめでありました。
合掌