経験
このホームページでは、トップページに「言葉の力」という企画で先人達、あるいは各分野でご活躍されている方の様々な言葉、時にはお経の一部を紹介し、それを毎月一度だけ更新しています。
4月の言葉の力は、
「努力して結果が出なくても 経験が残る」という言葉。
私が京都でお付き合いのあった目上の方から言われたことで、印象に残った言葉です。
「結果が大事」
この言葉の圧力はすごいものがあります。
しかし、これがすべてだと恐れぬことです。
人間ってもっと奥深いものだと思っています。
新入学されるみなさん。
就職し、社会人となられるみなさん。
私の甘い考えのような気もしますが、
結果だけで人から判断された力量を、自分のすべてと思わないで下さい。
また、自身も結果だけで他人を判断してしまわないで下さい。
人生ってもっと奥深いものだと思っています。
結果を求め、具体的な目的をもって、言い訳せずに頑張る。
常に目的に対する工夫をして、考えながら頑張る。
方法はひとつじゃないと知り、悩みながらでも頑張る。
では結果は出たか。
いや、そんなに順調じゃない。
求めた結果通りにならないことの方が多い。
ストレスも感じる。
他人を羨む。
自分を責める。
結果は出なかった。
じゃあ何も得るものはなかったのか。
そんなことはない。
「経験が残る」
これが失敗でさえも人を育ててくれる理由だ。
成功、失敗に限らずに、過程での努力や経験というものが人に記憶されること。
これこそが人を育ててくれると思う。
経験が0ではないことで怖さが減る。
不安でも、頼りになるのは自らの経験だったりする。
長い人生航路では、経験が自分を守ってくれる時がきっとあると思う。
他人の気持ちを考えるって、経験が意味を持ったりもする。
だから、色んなことを考え、悩み、頑張って経験を積めばいいのだと思う。
経験は大切な財産。
そして、結果だけで人を評価する人間にはならないように心がけよう。
他人も自分のこともだ。
人と人って、もっと奥深いのだから。
合掌