ありそうでなかった場
呼吸する寺。
大阪の天王寺に浄土宗の「應典院」というお寺があります。
このたび、そのお寺を参拝そして見学してまいりました。
もともと外観もそうなんですが、一歩中に入るとそこは、
私たちの知るお寺の様子とはまったくかけ離れたものでした。
まるで、大学内の学生情報コミュニティーフロア。
そこは、お寺とNPO活動メンバーの協働拠点であったのです。
法事や葬儀は行われていません。
お寺がまちの人々を巻き込み、人々が価値観をもち交わり、互いを活かし合い、
まちの住民に向けて開かれる生産的な場。
その名を『應典院寺町倶楽部』。
この寺での催しは、学びの場、演劇、映画、ワークショップ、ケア、総じてまちづくり。
とにかく多数多彩の個性が創出され展開していきます。
その全ては應典院寺町倶楽部の企画によるもの、だけではない。
それが素敵。
お寺が前向きにまちに開放され、活用されているのです。
建物自体もそうですが、その活動は宗教からかけ離れている?
もちろん「否」。
「否」と知りながら、お話をさせてもらった僧侶(31歳)に質問させてもらいました。
『すべて宗教体験と円のなかでつながっている。そして仏教につながっていくんです。』
このような素敵なお返事が返ってきました。(若いのに素晴らしい!)
日常における企画や活動、人のつながりや体験から仏の教えに気づく。
仏の教えは帝釈天の網のようにすべてにつながる偉大なものと知る。
そこはまるで、お寺の現代型、未来型のようで、
実はお寺の原点、本質であるようにも思う。
ありそうでなかった場です。
合掌
呼吸する寺 應典院のホームページはこちら。