東京のお盆
明日からは東京大田区のお寺の棚経を助法します。
こちらのお寺にお世話になって6年目となります。
東京は7月がお盆ですので、この時期に皆さんがお墓参りをしてお寺を訪れます。
大田区はお寺が多く、棚経で自転車を走らせていると、何処となくお線香の香りがして、
東京の下町に漂うお香の匂いに、私はお盆の心温かい営みを想像します。
私どもの田舎のお盆は一般的な8月盆です。
田舎は若者離れ、墓離れがささやかれており、今後墓の後継がいないことが
不安視され、しまいには墓終いなんていう言葉も作られてしまいました。
このまちから盆踊りがあまり見られなくなったのはいつ頃からでしょうか。
これも若者がまちを離れ、行事営みの後継がいないことが一因でしょうか。
お墓の視点からお盆を考えますと、家のお墓を世話する人がいなくなるという事実から
お盆の習慣が薄れていくのはなにか寂しく思います。
盆前にお墓を綺麗にするのも、地域の皆様の顔合わせの機会とすればいいと思うのです。
これがすでに地域間におけるお盆らしい営みのひとつではないでしょうか。
有縁無縁のへだてなく。
お墓を「守る」という、個に責任を感じさせるような固い言葉は使わければいいのです。
綺麗にしようと隣近所と顔合わせ助け合うのが、そもそも田舎の良いところですから。
これも無理をせず、無理をさせず、頑張るではなく、『顔晴る』という
心晴れやかな精進の習慣として残るといいなと思います。
今年の東京盆は雨予報です。東京の皆様の盆の習慣や空気を肌で感じながら、
一軒一軒、顔晴ってお勤めいたします。
合掌