愛語力
10月を迎えました。今年もあと三月。
お寺では四本のキンモクセイの花が咲き、境内は甘い香りが漂っています。
さて、今月のHP言葉の力を『愛語力』としました。
菩薩が説く、仏道に導くための四つの行い、四摂法(布施、愛語、利行、同事)。
「愛語」とは、心のこもった慈愛の言葉です。
愛語について、道元禅師は『愛語よく廻天の力あり』と仰っております。
言葉は力を有し、意味や背景、浅深、表裏があり、
人から発せられた言葉には価値が生じます。
善意ある一言や褒め言葉を直接いただいた人は嬉しいものです。
人を介してその言葉を伝え聞いたときはなおさらです。
逆に、悪意ある言葉を聞いたときは辛いものでしょう。
一言が人を救い、勇気づける。
一言で人は悲しみ、傷つく。
思いやりをもって言葉を交わしたいものです。
愛語には生きる力、生かす力があります。
愛語は仏道、どなたにおいても欠かせぬものです。
訪れる季節に無心に咲く辺りの花達も愛語力に満ちています。
合掌