夏のはじまりに
7月の東京盆、毎年お手伝いさせてもらっているお寺の棚経。
毎年この時期の東京は蒸し暑く、汗をかきながらのお勤めとなるのですが、
今年は陽射しが少なくとても涼しかった印象。
この夏は冷夏予想であり、ここ諏訪も夏らしさには遠い毎日ですね。
とはいえ、7月海の日には諏訪の風物詩、湖上花火が数千発打ち上げられ、
地元民、観光で訪れた方々にこれから夏本番を迎えることを知らせてくれました。
さて、今年もお盆がやってまいります。
これからお盆に向け準備を進めていき、まずは墓地の草刈りを行いました。
辺りでは同じようにお墓の草刈り、手入れに訪れる方をお見かけします。
綺麗に整えられたお墓がある一方で、草が石塔を隠すほどにまで伸び茂り、
しばらく人の来訪を感じ取ることの出来ないお墓もあります。
お寂しいことですが、致し方ない事情も含まれるのが現状です。
そういえば、どこかのふるさと納税の返礼で、お墓の清掃サービスがありましたね。
これには今の時代背景を知るものとして、不思議と納得させられたものです。
地元の者として思うのは、これからの田舎墓地は合葬のみを選択手段とするのではなく、
有縁無縁のへだてなく時に手を差し伸べ、手をつなぐ慈悲と支え合い精神が、
将来のこども達と健康なふるさとを守ることにもつながるということです。
実際、そのようになることは簡単に望めるものではありません。
それが叶うよう、日頃から地域互いに「頼る・助ける」とか「世話になる」とか、
互助解決のきっかけになることを重んじておく必要があります。
これより梅雨が明ければ、きっと諏訪地方にも夏の暑さがやってきます。
お墓の手入れなどは、今頃の涼しい日、時間を選んで行うとよいでしょう。
出来ることなら家族連れで行い、墓地で顔合わせする人とは挨拶を交わし、
安心してお盆を迎える感覚を得たいものです。
打ち上げ花火は、その昔、ご先祖さまの供養、「鎮魂」の為に行ったのが始まりです。
この地域においても今もなお、その意味、その心を失ってはおりません。
お盆に墓を参り、心静かに御霊に向き合うという「つなぎ」の勤めにより、
夜空に見上げる花火は、儚くもひと際美しく心に響くものとなるでしょう。
また、美しい花火に、遠い地に眠る先祖を偲ぶことが出来ます。
有縁無縁のへだてなく合掌を—。