季節を感じて
今年の梅雨は長い。
とにかく雨が降り続き、庭作業が進まず気持ちも沈みがちでした。
時は夏の盛り8月に入りました。
客殿玄関に飾られている金沢風鈴が心地よい音を響かせています。
毎月一日の朝は、ついたちまいりがあります。
お参りのみなさんと本堂でお勤めをし、その後客殿でついたち粥をいただきます。
毎月、日を定めてみなさんとお顔を合わせ、一緒に功徳を積みたいと思います。
毎日コロナウィルス感染症の話題が尽きず、常に不安を抱えているせいか、
この夏は日だけが過ぎ去っていくような感覚をもっております。
夏のお祭りや花火大会など、大いに賑わう地元の恒例行事がことごとく中止となり、
季節を感じとれる機会の多くを失ってしまいました。
季節を感じるひとつとしてあげられるお盆が近づいてまいりましたが、
みなさま、今年はどのようにお過ごしになられますか。
家族集って例年通りというわけにはいかないところもおありかとお察しします。
できる範囲、お心を伝える範囲でよいのだと思いますよ。
ご先祖さまのご供養の支度を整えてまいりましょう。
お盆に向けての支度と心得
ご家庭にてお盆の準備がすすめらていると思います。
盆前にあわてることなく、今から少しずつ家内、お墓などを清め整えていただき、
安心してご先祖さまをお迎え下さい。
盆の準備にお迷いの方は次を参考までにご覧ください。
ご自宅での迎え盆とご供養
◆精霊棚
お盆の飾り付けには精霊棚と盆提灯などがあります。
※丁寧にはお仏壇から位牌を取り出し、お仏壇前に改めて精霊棚を設けて飾りつけ、
そこに位牌をおいて供養する形、地域によりしきたりがあります。
しかし「絶対のカタチ」ではございません。 多少負担ともなりますので、
常日頃の通りにお仏壇にて礼拝し供養差し上げることでも充分なのです。
◆盆供
お盆のお供え物、供物のことを「盆供」と言います。
お盆に行う供養のことも同じく盆供と呼びます。
◆迎え火と送り火
お盆の入り(8月13日 ※異なる地域有り)には、
「ご先祖様が迷わずに帰って来られるように」という気持ちをもって、
玄関前を照らすよう迎え火を焚きます。
お盆さまお盆さま この明かりでおいでなしておいでなして♪
お盆明け(8月16日 ※異なる地域有り)には、
ご先祖様を丁寧に送り出すために玄関前で送り火を焚きます。
お盆さまお盆さま この明かりでお帰りなしてお帰りなして♪
(諏訪地方は白樺の皮を焚いているご家庭が多いです。)
◆飾りつけとお供えもの
◎精霊棚
お盆に用いられる祭壇
(前述のとおり、お仏壇を丁寧に整えていただければ充分ですよ。)
◎盆花
●精霊棚の網に逆さに吊るす花 代表的なもの:ほおずき
(花瓶で綺麗な仏花を供えることで充分ですよ)
●禊萩(みそはぎ)の葉を束ねてお供えする 代表的な盆花のひとつです。
盆供、飾りの清めに使われていたことから、ミソギハギとも呼ばれていた。
実際に萩に綺麗な水をつけて祭壇、仏壇、盆供のお清めに使っております。
※丁寧には、蓮の葉に水を注ぎ、ナスやキュウリを細かく刻んだもの
(精霊および餓鬼への施食)を添え、そこに禊萩を供えます。
(綺麗な器にお水を注ぎ、そこに萩を供えていただくことでも充分ですよ)
◎馬と牛
お位牌の前に供えます。
馬はきゅうりで作ります。早くお家に帰ってきて下さいとの気持ちをもって供えます。
牛はナスで作ります。ゆっくり過ごして下さいとの気持ちをもって供えます。
(それぞれの足は割り箸を用いていただけたら充分ですよ)
◎盆提灯
お盆のみに飾られます。※新盆は白提灯が主です。
ご先祖様を迷わす迎えるための灯りです。
毎日暑いなかですので、みなさんがお体を悪くせず元気であることにより、
ご先祖さまに安心していただくことが第一です。
体調、健康に気をつけてお過ごし下さい。
ご心配なことなどお有りでしたら、遠慮なくお寺にご相談下さい。
合掌