迎春 辛丑
令和3年西暦2021年新春を迎えました。
今年の初詣は新型コロナウィルス感染拡大防止の為、全国の寺社が参拝者の集中を防ぐ、
あるいは感染リスクのある接待や催しを取りやめるなど対応策を講じております。
新しい年を迎えてもなおコロナウィルス感染が収束に向かう兆しが見えず、
年始早々この話題を冒頭に書き込むことに一抹のさみしさを感じます。
昨年、コロナウィルスの世界的蔓延により世の中が一変しました。
たった一年足らずのうちにいままで変わらなかったものが変わり、
常識では有り得なかったことが極日常化していく様に正直戸惑っておりました。
世の中の変化に伴い、いよいよ寺院の在り方も見直され始めています。
しばらくはウィルスとの共存を覚悟しつつ、この先のお寺について考え深めていく
時期を迎えているのだろうと思います。
未来への希望を捨ててはなりません。
世が明るく変わることが感じられる一年を願い、一日一日を大切に重ねていくべきです。
私は天台宗の宗祖最澄上人のお言葉が好きです。
『一隅を照らす』
人に任せて世の中が明るくなることを望んで待つだけでは駄目です。
皆置かれているそれぞれの立場で「自分の身の丈」で輝くことが大切です。
身の丈でよいのです。個々が自らの小さな明かりを精一杯灯したその先に
世の大きな明かりがあると思うのです。
過去への感謝を捨ててはなりません。
人間は出来ることより出来ないことの方が多いのです。
自分の出来ない多くのことを、他の何処かの誰かが努めてくださっています。
命がけの方も大勢いらっしゃったはずです。
これからも変わらないであろう事実です。
『おかげさま』
私達が多くの「お陰によって」生かされていることは、この世の不変の真実です。
身のまわりの事をひとつひとつ受けとめながら世情を注視しつつ、
まずはこの一月を大切に過ごしてみましょう。
自分の小さな蝋燭を灯し、おかげさまと思える日を一日でも多く重ねたいと思います。
多くの笑い、出逢い、まなび、
皆さまにとって悦び多き年となりますことをご祈念申し上げます。
合掌