東日本大震災から10年
2021年3月11日
東日本大震災から10年の節目を数えます。
東北被災地の方にとっての10年、そこから遠く離れた信州に住む私の10年、
全く異なるものでしょう。
時間が流れる「感覚」は、幼い頃のもの、社会に出てからのもの、また年老いてから、
みな違うことは誰もが実感していることと思います。
過ぎ去っていく時間の質量感覚は人それぞれにも異なり、特にひとつの実体験による
感情記憶を境として、より大きく変化することがあるそうです。
被災地の方々の「10年間の思い」というものを到底計り知ることなどできません。
午前9時から観音堂におきまして、未曾有の大波にさらわれた多くの尊い命の鎮魂と
被災地の未来を守る方々への祈りを込めて、一字三礼の写経をお勤めいたしました。
波、死、苦、生、
経文には震災を連想させる字が続き、聖観音が希望の灯を届けてくださると信じて
五体投地書写を進め、筆を置いたのは午後1時30分。
自分の心に刻み忘れまいと、この先の10年に向けて手を合わせました。
このあと、午後2時46分になりましたら鐘楼堂で祈りの鐘を3つ撞きます。
ご浄土に御魂安らかであることを。
東北を愛する人たちの幸せ、未来を託されるこども達に健やかな成長がありますよう。
そしてもう一度慈しみの心の絆がつながりますように。
回向東日本大震災殉難横死者諸精霊
南無大慈大悲観世音菩薩
合掌