咲く花 散る花
境内の枝垂れ桜が満開を迎えました。
辺りの様子を窺うと目に映るのはどれも優しい色、そのなかに確かな生命力が
感じられ、誰もが好む季節を迎えたことを実感しているこの頃です。
先日、ご葬儀が終わった日の夜、ご遺族さんとお寺の夜桜を観ました。
その前には静かな夜の本堂で一緒にお経をあげました。
通夜葬儀は、ご遺族さんによりそれぞれ事情やご様子は異なり、
そこから時間をかけて立ち直っていく日々も様々です。
お寺という処は泣いていい、悲しんでいい、こどものように笑ってはしゃいでもいい。
仏さまのおられる大きな船は、人が心寄り添い、自分を受け入れられる処となればいい。
さらに明日からを歩む勇気が沸いてくるような頼れる乗り物であれば、なおいい。
きっと言葉の選択は間違っているかもしれないけれど、
「パワースポット」
突如として失った家族への深い思いを胸に、その夜、前向きな再出発を図ろうとする。
その家族の背中には、仏さまのご加護があったであろうことを感じさせるものがあり、
また、先に旅立たれたご家族の「徳」がこちらにも伝わってくるひとときでした。
僧侶の仕事もまた、ご遺族さまから何らかの形で心を満たしてもらっているのだと、
その有難みを感じることのできた一日でした。
今年の桜を皆さんはどんな思いで眺めていますか。
合掌
4月18日(日)までライトアップしております。
19時~20時 本堂も開放しておりますのでお参りいただけます。