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一本の道

あの時 こうしていたら いま頃 こうなっていたと思う

 

人の苦しみには、過去を振り返っての後悔のようなものが少なからずあります。

 

しかし、その「こうしていたら」という選択から拓かれた道は、

本当に存在していたのでしょうか。

 

もしかしたらそうなったのかもしれませんが、私はそういうものではないと話します。

「確かに拓かれた道」とは、振り返り後ろに延びている自分の歩んだ道のみであって、

他は存在することがなかった「想像上の道」です。

 

想像上の道が、確かに歩んだ道と比較して良い道であったと思う時に、

いま自分の歩む道に苦しみが生じます。

 

仏教では道が拓かれるのには必ず縁がともなっていることを説きます。

そう考えた時に、想像上の道はあくまで想像の域を出ず、その道が実現するほどの

縁の数々に巡り合えたかどうかなど知ることは出来ないのです。

つまりは、過去の縁の積み重ねこそがいまの自分の道であり、いまの自分なのです。

 

自分の道の苦しみから離れるには、この真実を受け入れることから始めねばなりません。

その道に正直になり、他と比較することに関心を持たないことです。

 

 

さて、次は未来の話です。

自分の将来にはいくつかの道があるものと考え迷われることもあるでしょう。

しかし、道は縁によって拓けるという仏教の視点からすれば、

実はここでいう道もいまは存在しない道です。

 

ただし、人生の歩みには選択の機会がいくつも訪れます。

その時の選択という縁によって新たな道を進むことになるのは間違いありません。

そして、ある選択を決めた時、他の選択肢からの縁は無くなるのです。

 

私たちが普段の生活で目にしている道は、何本も存在し、遥か先まで延びて、

その進路を戻ることも変更することも可能です。

しかし仏教でいう「人生の道」とは、

縁が瞬間瞬間重なり続けて目の前に結果として現れます。

その拓かれた結果がまた新たな縁と重なり、先の新たな道を目にすることになります。

後ろを振り返ってみると、自分の縁から生じた一本の人生の道が延びているのです。

 

人生の歩みには分岐点がいくつもあります。

足元にある道は因を縁として生じた結果ですが、因とは自分の心が大半を占めます。

つまり、これからも自分の心の在り方次第で選択の判断は変わってゆくはずなのです。

そのようにして、繰り返し人生の先に初めての道が生まれているのです。

 

この先に確かな道は見渡せず、いつまでもいつまでも目の前の縁の積み重ね。

その縁には、瞬間の自分の心の在り方が深く関わり、反映されていきます。

いまの自分が始点となって、まだ見ぬ将来の姿となっていきます。

 

誰もが今の自分に正直に、そして大切にその道を歩めたらいいと思います。

 

いつか後ろを振り返って自分の道を眺め、それを他と比較することなく、

微笑んで受け入れられる人生でありたいものです。

この道が最善の自分の道であったと。

 

もし、それでも正直になれず心の痛む自分がある時には、お寺にお越し下さい。

その時を語り、一緒に過ごしましょう。

                  合掌

 

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    (後厄)
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    (本厄)
  • 62
    昭和38年生
    (後厄)

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  • 18
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    (前厄)
  • 19
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  • 37
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  • 38
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    (後厄)
  • 60
    昭和40年生
    (前厄)
  • 61
    昭和39年生
    (本厄)
  • 62
    昭和38年生
    (後厄)

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