心づかいは見える
このたび、お檀家様の法事のお斎食にご一緒させていただきました。
献杯の後、美味しいお料理とお酒をいただきながら会話を楽しみ、
故人を偲ぶ時間が穏やかに流れて行きました。
一時間ほど経った頃でしょうか。
『あらやだ、おばあちゃん! コップ入ってなかったね。ごめーーーん!』
『ごめんね、おばあちゃん、お茶でいいかな。はい、どうぞ。』
このおばあちゃんとは、三回忌を迎えた故人様です。
最も上席に設けられた亡きおばあちゃんのためのお席。
この情景に私は心を掴まれました。
これが追善供養のひとつの徳積みの姿だと思います。
「心は見えないけれど、心づかいは見える。」
姿はないけれど、一緒に居られるかのように過ごす。
澄んだ水のように優しい気持ちに沁みていき、心が潤った瞬間でした。
美味しい料理にお腹が満たされ、ご親族さまの温かみに触れて心満たされた、
亡き家族を偲ぶ回忌供養の一日でありました。
早く世の中に安心して人と会える日常が戻るといいな。
合掌
境内に咲くヨルガオ
夕方、日没時から夜中にかけて咲く白い花です。