リスペクト
こどもが通っているサッカーチームのコーチが試合直前の指導のなかで、
こども達に向けてこう話されました。
「相手チームは敵ではない。サッカーでは『仲間』という。」
「相手の仲間へのリスペクトが大切。」
自身、失いかけていたことを思い出す、印象的な言葉でした。
私は何事も勝敗を決める試合に臨むには、なまぬるい考えは互いの「戦意」に影響し、
相手に失礼になると考えていました。
よって、いざ試合では相手は敵であって、敵に勝つために見方とベストを尽くし、
試合終了とともに相手を讃え、初めて仲間になるものだと思っていたのです。
リスペクトというコーチからの言葉に、30年前の自身の部活動を思い出しました。
私が所属した高校野球部の監督さんは、試合中のガッツポーズを一切禁じ、
礼を欠くことには大変厳しい指導をしておられました。
理由は相手へのリスペクト。
当時を振り返ってみると、その教えを理解できていたとは思いません。
その教えに縛られ、守っていたにすぎません。
それが子育てをする立場になったいまとなって理解できる気がしますし、
息子たちがそのような指導をいただけていることを有り難くも感じました。
しかしながら、私がそうであったように、現時点でのこども達がリスペクト精神を
十分理解することは難しい。
指導者から伝えられた思いが、いつか心に響くときがやってくるものと信じています。
相手は、自分を高めてくれる師であって、ともにルールを遵守して励んでいる仲間。
そういえば、プロ野球界は日本ハムに新庄監督が新しく就任し、球界関係のみならず
世間は大いに盛り上がりを見せていますね。
「試合中の喜びは塁上で素直に表現しなさい。」
指導方針のひとつひとつに、何かを一度壊そうとする「改革使命感」を感じます。
なりふりと言動から周囲の誤解を招くことも多少はあるのでしょうが、
実は新庄監督は、高いリスペクト精神をお持ちの方ともっぱらの評判ですよね。
いまから野球シーズン到来が待ち遠しい。
来年はリスペクトという観点からアマ・プロのスポーツ界を観察してみようかなと
ひとつ楽しみになってまいりました。
合掌