ご縁日
18日は聖観世音菩薩のご縁日。
この日は午前9時から観音堂において護摩行をお勤めし、
皆さまには毎月熱心なおまいりをいただいております。
ただいま諏訪の寺院では、諏訪上下社神宮寺由来の仏像が一斉公開されており、
150年ぶりに神仏習合の諏訪信仰に光をあて、歴史を振り返る貴重な機会に、
多くの方が仏さまたちを一目見ようとこの地を巡っております。
真福寺には神宮寺にゆかりある仏さまはございませんが、この歴史的プロジェクトに
参加協力し、諏訪三十三観音第32番札所にあたる観音堂を公開中です。
10月18日のご縁日には、普段の通りに9時から護摩を行いましたが、
この時間に一斉公開の寺院を巡っておられる方々もお越しになり、
ともに御祈願に参列され、一緒に読経をお勤めになられました。
10月1日から約二ヶ月に渡る仏像一斉公開プロジェクトは、
同所に仏像を集める公開ではなく、それぞれの仏さまをお守りする寺院が
その場において独自に公開を進めております。
つまり、周遊式であり、皆様はこの地を自らの足で時間をかけ巡ることになります。
この周遊式がまさに画期的。
公開される神宮寺より離ればなれになった仏さまたちと、各寺院の聖域を「点」とし、
その点を「線」で結んで下さっているのが、いまお寺を巡っておられる方々なのです。
まさに150年前の諏訪信仰がこの時代の人々のご縁によって照らされていると
いう感触を得ております。
遠近問わず、これほど多くの方が熱意をもって仏さまのお姿を求めているのかと、
正直驚きながら、出会えば出会うほど、不思議なご縁と感じているこの頃です。
先人の手より静かに守り続けられてきた諏訪の仏さまたち。
あらためて、明治時代の神仏分離令によって信仰の歴史は大きく変動し、
失われた数々に思いを馳せてみると、この地には奇跡が生じていたのかな、
とさえ思うのです。
時は令和4年秋。この先の100年へ。
合掌