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再会

創立150周年を迎える母校の記念誌に、私の思い出を寄稿するご縁をいただき、

小学校時代を振り返るため卒業文集を開き、懐かしく読み返していました。

記念誌に私が綴った一文には担任の先生について触れ、同時に今はどうされているのか、

お元気になさっているのか気になっておりました。

 

担任の先生とは、卒業以来一度もお会いしていません。

ひとつだけわかっていたことは、私達が卒業した後、お寺に嫁がれたということでした。

お相手は、隣のクラスを担任しておられた先生でした。

当時、私も寺の生まれだったことから、少しはこの話題に反応したことを覚えています。

 

近頃になって、過去にお世話になった先生を意識し始めたのは、記念誌に思い出を

寄せたこと、それとやはり、私が僧侶として先生と同じく寺に勤めているからでしょう。

一度お会いしたい、という気持ちが芽生えていました。

 

 

つい先日、急展開を迎えました。

息子に習字を教えて下さっている先生が、小学校時代の同級生の母親なのですが、

雑談のなかで、担任の先生の話題になったのです。

すると、習字の先生は、嫁いだ先のお寺のことを教えて下さいました。

同級生だった娘さんと担任の先生は、同じお琴の教室に通われていたそうで、

卒業後も連絡を取り合える関係にあったらしく、詳しいことをご存知だったのです。

 

先生が居られるお寺は、長野県飯田市に在る臨済宗のお寺。

それを知った次の日、私は飯田市内で開かれる青年会の総会に出席の予定でした。

このことを単なる偶然ととるか、引き寄せられたご縁ととるかは自分次第でした。

私は習字の先生に、その場で明日会いに行きたい気持ちを話しました。

 

しかし、35年近くも時は過ぎているのです。

突然会いに行ってよいものだろうか。

会いたい気持ちのなかに複雑な思いも混じっており、妻に相談したところ、

大丈夫、会いにいったらいいよと言ってくれたので、気持ちは固まりました。

 

翌日、少し早めに出発して、総会の前にお寺に寄りました。

こういう時は、まず先に連絡をひとつ入れることが礼儀ですが、

変に気をつかわせてもいけない、ご挨拶させてもらえるだけで十分と考えていたので、

無礼を承知のうえで、突然の訪問となりました。

 

もしご不在だったらあきらめようと決め、ドキドキしながらインターホンを鳴らすと、

女性の声で返事があり、玄関を出てこられた方は間違いなくお世話になった先生でした。

どちらさま?というご様子でしたが、出身と名前を名乗ると、すぐにわかって下さり、

とても驚かれました。

人と会ってこんなに驚かれたのは、いつぶりだろうか。何をした時以来だろうか。

御住職をされている隣のクラス担任だった先生も、覚えていて下さいました。

 

ご本堂におまいりさせていただいた後、少しの時間ですが懐かしくお話ができました。

まずはなぜ突然の訪問となったのか、事の経緯をお話しし、後はお互いの近況を少し。

わずかな時間でしたが、先生の元気なお姿が拝見できたこと、とても嬉しかったです。

先生も喜んで下さって、不安もあった私は正直安心しました。

 

お聞きすれば、当時の先生は24歳だったとのこと。

今年3月で小学校の教職をご退職されたとのこと。

あれから30年以上、小学校児童のご指導を続けてこられたこととあわせて、

お寺の寺庭としても30年以上が経っていることへの尊敬の念、突然に訪れた私を

こんなに温かく迎え入れてくれたことの優しさ、様々な感情に心潤いました。

 

先生は過去を振り返るように、なぜかごめんねと言う。

もっときちんと教えてあげられればよかったと言う。

今の先生が、若かりし頃教壇に立つ自分自身に言い聞かせているようだった。

私には、そんな先生の言葉とお気持ちが只々もったいない。

私は、色々とご迷惑ばかりおかけしましたとお詫びの言葉を伝える。

しかし、その過去のすべてに、いま流れている時間の「有難み」が勝る。

 

35年ぶりの再会に、過去が輝き始める瞬間でした。

過去は変わらないと言いますが、それは事実の部分だけを指すのであって、

その後のご縁や生き方によって、未来に過去が磨かれることはあるのだと思います。

 

先生が今後も幸せにお達者に過ごされますことを願っています。

このたびの再会を、仏さまに引き寄せられたご縁と感じており、

この「仕合わせ」に感謝しております。

ありがとうございました。

                      合掌

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キバナカタクリ 

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法事・年忌法要早見表

亡くなった年 本年回忌
令和5年 2023年 一周忌
令和4年 2022年 三回忌
平成30年 2018年 七回忌
平成24年 2012年 十三回忌
平成20年 2008年 十七回忌
平成14年 2002年 二十三回忌
平成10年 1998年 二十七回忌
平成4年 1992年 三十三回忌

真福寺の法事について

厄年早見表

大厄(男性)

  • 24
    平成13年生
    (前厄)
  • 25
    平成12年生
    (本厄)
  • 26
    平成11年生
    (後厄)
  • 41
    昭和59年生
    (前厄)
  • 42
    昭和58年生
    (本厄)
  • 43
    昭和57年生
    (後厄)
  • 60
    昭和40年生
    (前厄)
  • 61
    昭和39年生
    (本厄)
  • 62
    昭和38年生
    (後厄)

大厄(女性)

  • 18
    平成19年生
    (前厄)
  • 19
    平成18年生
    (本厄)
  • 20
    平成17年生
    (後厄)
  • 32
    平成 5年生
    (前厄)
  • 33
    平成 4年生
    (本厄)
  • 34
    平成 3年生
    (後厄)
  • 36
    平成元年生
    (前厄)
  • 37
    昭和63年生
    (本厄)
  • 38
    昭和62年生
    (後厄)
  • 60
    昭和40年生
    (前厄)
  • 61
    昭和39年生
    (本厄)
  • 62
    昭和38年生
    (後厄)

真福寺の厄除けについて

厄年は「数え年」を基準としています。

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