移り変わりの上に
息子のサッカーの試合が木曽で行なわれ、試合観戦の合間に
近くに流れる川まで足を運んでみました。
川の水はとても澄んでいて、まわりには大きな石がたくさんありました。
豊かな自然を感じ、その美しさに見入ってしまいます。
この大きな石たちはどうやってここまで運ばれてきたのか。
遥か昔から、どれほどの時間が過ぎていまに形を変えてきたのか。
人智や想像を遥かに超えた時間の流れと変化の上に人は立っています。
命が自然の一部であることを観想し、自然と一体となる実践によって、
人の体や精神は、何事も良い方向へ導かれると聞いたことがあります。
自然に溶け込む感覚をもつためには、五感を澄ます習慣が大切なのでしょう。
コロナウィルスの感染症法上の基準が、いよいよ5類に移行します。
ここに至るまでとても長かった気がするのですが、実はまだ3年なのですね。
大自然が形を変えて来た、途方もない時間に比べたら、瞬き程度です。
しかしながら、この3年の内に、失われた価値があり、生まれた価値もあり、
生活環境を大きく変え、人生の分岐点とした方は大勢いらっしゃいます。
目に見えて人が変わりゆく様を感じたコロナ禍でした。
失われた多くの命もありました。一方で、これから生まれてくる未来の命は、
この変化が創り出した形の上に立つのですね。
さて、今後は経済活動が順調に動き始めることに期待がもてます。
昨日までのGWの人の流れに、明らかにその様子を感じとることができました。
弱った経済に力が蘇り、やがてコロナというものが意識から薄れていきます。
大きく変わろうとする時に、人には差が生まれます。
そして、差に敏感になります。
自分と他人の違いに敏感になることでストレスを感じ、
そんな時に人は攻撃的な感情が生じてしまうことがあります。
私たちはコロナ禍を経験し何を学んだかが試されます。
そのひとつは、シンプルに思いやりの心だったと思います。
五感に感じる自然の働きや恩恵はとてつもなく大きいです。
人がコロナという狭い価値観から離れ、余計な感情は手放し、
広く広く、大自然に恵まれた命を生かしていきたいものです。
コロナ禍に人の生活を救うため、笑顔を増やすため力を尽くしてこられた
医療関係者はじめ、各業界の多くの皆様に感謝申し上げます。
合掌