弘法大師ご誕生1250年慶讃法要
雲一つない青空とは、まさにこのことかと思った京都の空。
5月17日、私は総本山智積院の境内にいました。
気温は30℃を超えているなか、弘法大師ご誕生1250年記念
慶讃法要の習礼が行なわれています。
衣は袍服に七条を付け、体感ではかなりの暑さを感じています。
翌5月18日は大曼荼羅供。
本宗最高峰に位置づく大法要を迎え、多くの僧侶がこの時この場に相集います。
両部曼荼羅と弘法大師に向かい修法をされる大導師、化主猊下のもとに、
職衆には智積院の集議菩提院結衆に列座する高僧方ならびに全国各教区より
諸大徳が集い、その法要を取り仕切る智山講伝所の先生方、もっとも人員を割いて
いるであろう法要準備に携わる事相法式の研鑽を積む方々と本山の職員、
そして専修学院の修行僧といった大多数がこの全てに関わっていました。
陰に日向に多くの力が本山に集まらなければ成すことの出来ない大法要に、
このたび職衆のひとりとして、本山の元奉職員の立場で出仕させていただきました。
私のような若い僧侶が出仕することは本来出来ないのかもしれませんが、
ご縁をいただき、この場にいる不思議さのようなものを感じていました。
当日、そんな気持ちを抱きながら、本山のご衣帯をお借りして身に着け、
この記念法要に臨みました。
大変に長い時間を要する法要です。
気を張っていたせいもあってか、正直随分と体が疲労しました。
それは、今後自分に訪れることはないだろう稀な経験をいただける
幸せと刺激を身に感じながらの疲れであったと自覚しています。
「有難し」
このひと言に尽きます。
弘法大師ご誕生1250年を記念する年に際し、
自坊では、布教師として弘法大師を伝え、弘法大師とともにあること、
そこに深みを感じることのできる一年にしたいと考えています。
令和5年は、毎月21日と日を定め、自分が写仏したお大師様のお姿に
月替わりでお大師様のお言葉を書き、解説を添えた特別御朱印を広めています。
秋彼岸を終えた頃には檀家様を中心に集い、本山参拝を計画しています。
今回初めてお目にかかれた、記念事業の柱として見事に新築落成された寺宝の
収蔵庫は大変印象に残り、ぜひ地元のお檀家様にも見てほしいと思いました。
京都からの帰りは、晩の予定もあって乗らなくてはいけない電車が決まっており、
挨拶もそこそこに本山を後にしましたが、お世話になった先輩後輩など
色んな方に会うことができたなか、どなたにも御礼を伝えたい思いです。
皆さま貴重な時間を下さり、本当にありがとうございました。
南無大師遍照金剛 合掌