リスペクト~褒める~
小学5年の息子が市内のサッカーチームに所属しお世話なっています。
息子は運動が苦手ではないと思うのですが、4年続けているなかでも
なかなか上達せず、試合ではフル出場で活躍する選手ではありません。
親として何もチームに協力できていないし、息子に寄り添ってあげることも
できていません。
息子は嫌々な時期を幾度と乗り切りながら、よくくじけずに続けているなと
日頃から感じております。
これは指導者の皆様とチームの仲間のおかげにほかなりません。
春に木曽で行なわれた試合を観戦して以降、
観戦はできませんでしたが、家で都度サッカーの報告を聞いていると、
以前は負け試合が圧倒的に多かったチームが、徐々に勝つことが
増えていることに気づきました。
理由は急成長している選手の存在や能力ある子の加入などがあげられると
思いますが、その答えは、日頃もっとも近くでこども達を見て下さっている
コーチが把握しているものと思います。
様々な問題に直面し、都度それを解決して乗り越えた大小の苦労も
重ねながら、明らかに成長しているチームの姿を想像していた一方で、
息子の小さな変化も感じていました。
それは、「試合が楽しみだ」ということを口にし始めたことです。
試合ではベンチにいることが多かった息子ですが、出場機会が増えたことは
耳にしておりました。
こどもの気持ちの面での変化には、原因が必ず存在するものです。
このたび、春以来の試合観戦をしました。
2試合観ましたが、チームは明らかに動きがよくなり、相手ゴールまでボールを運び、
シュートまで結びつく回数が増えていました。
攻撃と守備を含めてチーム力そのものが高まっていると気づきました。
結果、2試合とも勝ちをおさめ、特に2試合目は、先日、決勝戦で1-6で
敗れている相手であり、もしこのチームに雪辱を果たせば、今年のリーグ戦の優勝、
敗れれば2位という結果につながる重要な一戦、非常に緊迫した試合でした。
相手の攻めを耐えて点を与えないのは、両チーム互いにナイスファイト。
0-0で進んだ攻防、決勝の1点をあげたのは、試合終了間際でした。
こどもってこんなに急に変わるのかなというくらいに、試合に気迫を感じました。
褒めて伸ばすという言葉があります。
それとともに、確かに叱る事実があって、褒めるが生きるものと考えます。
また、確かに褒める事実があって、叱るが生きるものでありましょう。
褒めるとは何かと考えた時に、それに簡単な答えはありません。
ゆえに言葉や態度も浅くなりがち。
こどもに限らず、人が成長につながるもっとも重要なこととは、
「人から必要とされること」
ではないでしょうか。
頼られていることが、
『君が必要だ』
という、言葉あるいは態度で伝わっていること。
個々の働きを見てくれていて、それを伝えてくれる人が上に立ち、
個々の素質が活きていくさまが組織の理想のひとつ。
逆に人がもっともモチベーションを落とすのが、
自分が必要とされていないということが、叱られることもなく
言葉と態度で伝えられてしまった時ではないでしょうか。
チーム力(組織力)が上がり始めたということは、
一人ひとりが頼りにされているという実感を持ち始め、
自分の位置づけを「自覚」し始めた証と考えます。
もうひとつ言えることは、チーム内の仲間どおしのリスペクト精神が
育ち始めていることでしょう。
こどもたちにリスペクトの精神を伝えるのは、大人の役目です。
少年スポーツ界では指導者の役目です。
それらを考えた時に、日々こどもたちを指導して下さる方に対して、
感謝の気持ちが溢れてきました。
こどもを信じ必要として下さったこと、リスペクトを重んじて下さったこと、
それが試合で実を結び、こどもたちが自信を付けるに至ったことは、
本当に素晴らしい体験です。
こどもに限らず、大人になってからもきっと変わりません。
人は誰でも、必要とされることが向上のエネルギーとなります。
頼りにされる言葉と態度が、最高の褒めではないでしょうか。
同時に、こどもたちには、将来人から頼られる大人となるために、
その道の努力が必要であることも、いつか必ず気づくことでしょう。
来年6年生となる息子には、ここまで来たら、最後までサッカーを続け、
仲間を信じてプレーする機会をひとつでも多く体験してほしいと思います。
そして、リスペクト精神を重んじる指導者からの言葉をしっかりと聞く、
その姿勢を大切にしてほしいと願います。
コーチいわく、息子の起用とそのプレーは、「一か八か」だそうです。(笑)
その言葉をバカにせず、仲間は優しく笑いかけてくれたことが嬉しいし、
何より、息子も一か八かの自分の立場を理解し、やる気につながっているようです。
これもコーチの温かいご指導のおかげですね。
合掌
きっと、みな染まる。