つなぐご利益
四万八千日観音まいりが行われました。
8月10日。
この日におまいりし、観音様のご縁をいただくと48,000日に相当するご利益があると
古来から伝わる観音信仰です。
年数に換算すると138年。次世代までも届くご利益ということになります。
いま、私たちが安心して日常をおくれているのは、あたりまえのことではありません。
これらは遠い昔の人々が味わってきた苦労と、生活に根付いていた
深い祈りのおかげが今日に働いていると思いませんか。
昔の方は、朝な夕なに手を合わせて祈っておられたのです。
いま、失いたくないものを思い浮かべ、指折り数えてみて下さい。
そこにあげたものすべては、自分がすでに有難く持ち得ているものです。
いくつ数えたことでしょう。これは大変なご利益なのです。
さて、私たちはどれだけ長く生きても100年。
48,000日の功徳を感じるにはどうすべきか。
それは「仏に学び、仏をまねる」ことだと思います。
まずは「合掌」の姿。
これは、もっとも速やかにご利益を得る心の姿勢と言われています。
むやみに争いを選択しないこと。分け合い、寄り添う気持ちをもつこと。
よき道に導くには、人は一度立ち止まり合掌するところから思考することが
大切だと思います。
なぜ合掌がよいのか。
理由は、人には仏性が具わるとされていること。
ゆえに仏と同じ姿をすることは、本来、人には心地よいものなのです。
心の支えとなり、さらには人の輪を支えてもくれるでしょう。
仏道は私生活のなかにあります。
日常に合掌の機会はありますでしょうか。
私たちがその姿勢を大切にすることで、それをまねる次の世代がいる。
このバトンがつながって、初めて確かな功徳を知ることができるのではないでしょうか。
次世代までも届くご利益。
これは、いまを生きる私たちが仏さまから学んでこそ得られると思います。
学び、まねて、それが深い祈りとなっていきます。
合掌