本文へジャンプ

実ちて帰る

もう20年近く前のことです。

本山に奉職しているころ、当時ご指導くださった先生から言われました。

 

「君たちの行はつまらない。『全力』という言葉を辞書で引いたことがあるか。」

私には忘れることのできない言葉となりました。

 

 

岡谷に帰ってきて12年。

慣れというものは、良い面と悪い面を併せ持っています。

余計な緊張を解き、余裕をもたらし視野を広めてくれることの反面、

事にあたって気持ちが欠けてしまう事実があるように感じています。

 

いまの自分に一生懸命という実感はあるのか。

 

 

このたび、花まつりコラボコンサートを開催しました。

真言声明、高野山真言宗の僧侶「六大」と真言宗智山派の僧侶「谷響」による共演。

そして御諏訪太鼓の伝承者、山本麻琴さんとの三者共演でした。

 

山本さんとの共演はこれが初めてではなく、過去に何度かご一緒させて

いただきましたが、そのなかでもった印象があります。

「山本さんは本番まで本当の姿を見せない」

 

本番になってギアが何段階も上がるのです。

私にとって、山本さんの魅力はここにありました。

IMG_9916

 

練習のなかである程度共演のかたちが見え多少安心をしていても、

本番ギリギリまで「怖さと期待」が同居しているのです。

敵わないだろうという怖さと、山本さんの技術はもとより、その精神性、発せられる

「氣」のようなものに自分たちの精神、表現力が高められるという期待。

 

 

真福寺で行ってきたいくつかのコラボコンサート。

共演で求めているのは、混ざるのではなく互いの素材を生かし高めあうことです。

共演者にはいつもそれをお伝えしていました。

 

IMG_9906

今回演奏された鼓曲「阿修羅」。

すぐ傍で見たその姿。山本さんのいままで見たことのない表情を見た気がしました。

来場者のなかには、山本さんに何か降りてきたようだった、とおっしゃる方も。

 

そして、阿修羅に「妙法蓮華経如来寿量品」を重ねた我々も間違いなくそれに

高められ、日常に忘れていたであろう「全力」を引き出してもらえたのです。

IMG_9925

 

本山の時は、根来の地で全力を認めてもらえずに何度も大日経というお経を

唱え続けました。自分が全力と思っていたものはそうではないと気付かされ、

とにかく必死で唱えた先に、多くの僧侶が涙しました。

 

今回は涙が出るということはありませんでしたが、山本麻琴さんと互いを高め合い、

恒久平和を祈り、少しですが徳を積んだような気持ちになれました。

虚しく往きて実ちて帰る。清々しい気持ちが蘇り、感謝でいっぱいです。

共演いただいた皆様、素晴らしい体験をありがとうございました。

IMG_9878

六大さん、さらに面白いことを想像していますよ。またいつか。

                               合掌

 

https://youtu.be/gjXhBdOHxKw

阿修羅×如来寿量品

お檀家様が撮影編集してくださった、山本さんのお姿を間近に見れる貴重な映像です。

ぜひご覧ください。

 

IMG_9882

IMG_9919

月別一覧

今月の「言葉の力」

花を見るのが人の眼 根を見るのが仏の根

見えるところばかりに
囚われてしまうわたし
大事なところは姿が見えない

言葉の力一覧

聖観音縁日護摩修行
ととのう写経体験
癒しのおてらヨガ

法事・年忌法要早見表

亡くなった年 本年回忌
令和6年 2024年 一周忌
令和5年 2023年 三回忌
令和元年 2019年 七回忌
平成25年 2013年 十三回忌
平成21年 2009年 十七回忌
平成15年 2003年 二十三回忌
平成11年 1999年 二十七回忌
平成5年 1993年 三十三回忌

真福寺の法事について

厄年早見表

大厄(男性)

  • 24
    平成14年生
    (前厄)
  • 25
    平成13年生
    (本厄)
  • 26
    平成12年生
    (後厄)
  • 41
    昭和60年生
    (前厄)
  • 42
    昭和59年生
    (本厄)
  • 43
    昭和58年生
    (後厄)
  • 60
    昭和41年生
    (前厄)
  • 61
    昭和40年生
    (本厄)
  • 62
    昭和39年生
    (後厄)

大厄(女性)

  • 18
    平成20年生
    (前厄)
  • 19
    平成19年生
    (本厄)
  • 20
    平成18年生
    (後厄)
  • 32
    平成 6年生
    (前厄)
  • 33
    平成 5年生
    (本厄)
  • 34
    平成 4年生
    (後厄)
  • 36
    平成 2年生
    (前厄)
  • 37
    平成元年生
    (本厄)
  • 38
    昭和63年生
    (後厄)
  • 60
    昭和41年生
    (前厄)
  • 61
    昭和40年生
    (本厄)
  • 62
    昭和39年生
    (後厄)

真福寺の厄除けについて

厄年は「数え年」を基準としています。

↑